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News & Column

<じわじわの生産者さん> 百年の森を繋ぐ、黒滝村の「山守(やまもり)」中井さんを訪ねて

 

 

奈良市内から車で約1時間半。うねうねとした山道を登りながら、川沿いを上流に向けて走ります。

ここは、奈良県南部の吉野というエリアにある黒滝村。
その村の赤滝という集落にある、『杣英(そまひで)商店』の中井 英夫さんを訪ねました。

中井さんは、jiwajiwaの「森のたまご」を作ってくださっている木工職人であり、
吉野の山の持ち主から森を預かり手入れや販売までを引き受ける「山守(やまもり)」でもあります。

五百年以上の歴史がある吉野林業。吉野の地のほとんどを、森林が覆っています。

「山守」は、木が茂り過ぎるのを防ぐために間引いていく間伐や、
製材にして出荷すべく木を山から切り出す伐採、新しく木を育てるための苗の植付けなど行い、森を守っています。

山守は、いわば森林の番人ともいえる存在です。

戦後は家屋や家具に加工される材木が活況だったそうですが、
今は海外産の合板などに押されて国産材木は取引価格が下がっており、
生活雑貨などの木工に活路を見出しているのだとか。

売り先がないために伐採されないままの木々が生育を続けると、経済的なこと以外にもよくないことが。

針葉樹は根が浅いので地滑りに繋がりやすいという災害の問題や、
自然の循環を促しにくいという生態系の問題も起こってしまうのだそう。

そんなことを聞きながら、中井さんの工房から、山道を登り森の奥へ奥へと案内してもらうと、
鬱蒼とした杉や檜の植林された作業現場がありました。


 

 

3階建てのビルくらいの高さの木々が、ほんの数メートルの間隔で生い茂っています。両手を回して、やっと手が届くかどうか、という太さの杉や檜は、樹齢にして60年ほどだとか。2代前の山守さんが植えた木を今、伐採しているのだそう。

そして、切った後には、小さな苗木を植える作業が。また2世代ほど後の山守さんへ、その木の未来は託されるのです。

わたしたちが日々の暮らしを送るなかで、50年先や100年先の未来を考えた行動をすることが、どれだけあるでしょうか。

そして、杉や檜の植林から、広葉樹が茂る雑木林へと、頭上に季節の花々が咲くのを見ながら、さらに足を進めます。

小さなロッジに辿り着き、しばらくの休憩を。

山々が見えました。

きっと、数百年、数千年も前から変わらず、こんな景色を山守さんたちは繋いできたのだな、と。

 

悠久の時を経て、山守さんたちから守り継がれてきた森でうまれた「森のたまご」。

そんな「森のたまご」を通じて、忙しい日々の中でも、
今なお守り継がれている山々や自然に思いを馳せながら、
ゆったりとした「余白の時間」を過ごすきっかけが生まれたら、と思います。

 

 

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